発行日 2008年8月1日
Published Date 2008/8/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00349.2008300302
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前縦隔原発悪性リンパ腫(ML)9例(男2例、女7例、19~74歳)を対象として、病理組織学的確定診断に対する外科的アプローチの観点から検討した。縦隔原発大細胞型 B細胞リンパ腫(PMLBCL)の2例を除く7例では経皮生検または胸腔鏡下生検にて病理組織学的確定診断が得られ、節外性粘膜関連リンパ組織型辺縁帯B細胞リンパ腫(MALTリンパ腫)を除いた5例は化学療法および放射線療法により全例完全寛解(CR)が得られた。MALTリンパ腫の1例は正中切開による腫瘍切除ならびに拡大胸腺摘出を行った。浸潤型胸腺腫あるいは肺悪性腫瘍の縦隔浸潤の臨床診断にて腫瘍切除ならびに肺心膜合併切除を施行後に病理組織診断が確定したPMLBCLの2例では術後化学療法および放射線療法を行った。MLは確実な病理確定診断が必須であり、高悪性度群に属するものなど血液専門医による迅速な治療を要するものも含まれている可能性があると考えられた。
©Nankodo Co., Ltd., 2008