発行日 2008年7月1日
Published Date 2008/7/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00349.2008256279
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
- サイト内被引用
58歳男。朝から嘔吐3回・下痢4回を来たし、ノロウイルスによる胃腸炎を疑われたが、午後から左側胸部痛が出現し救急搬送された。CTで左胸水と気胸に加え、大動脈弓レベルから横隔膜脚レベルで食道周囲から胸部下行大動脈周囲に至る縦隔気腫を認めた。食道破裂を疑って左胸腔ドレナージを開始し、排液は黒色、食物残渣様で計1030mlであった。食道破裂と診断し、同日夜に緊急開胸術を施行した。胸腔内を十分に洗浄した後に食道を露出し、上部消化管内視鏡から送気を行ってエアリークを確認し破綻部を確認した。破綻部は食道の筋層走行方向に沿って3cm存在し、下端は横隔膜直上であった。破綻部を全層縫合して修復した後、再度の送気でエアリークのないことを確認した。修復部付近の横隔膜上背側と頭側背側にドレーンを留置して閉胸した。術後経過は良好で、9日目に経口摂取を開始し、10日目にドレーンを抜去して17日目に独歩退院した。
©Nankodo Co., Ltd., 2008