発行日 2007年8月1日
Published Date 2007/8/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00393.2008003680
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55歳男。昼食時に飲酒をし、15時ごろ頻回の嘔吐の後、心窩に激痛が出現して救急搬送となった。入院時所見で意識は清明であったが、胸部から苦悶様、心窩部の激痛があり仰臥位が困難であったが検査所見では明らかな異常は認めなかった。胸部CTにて気胸、胸水を認め縦隔内で食道の右側に液体貯留、左側に気体貯留を認め、さらに腹部CTにて胃外側に腹腔内遊離ガスを認めた。上部消化管内視鏡検査では門歯から35~40cmの食道左側約5cmにわたる裂創を認めた。病変が左胸腔、腹腔の両方におよんでいたため左胸膜連続切開開胸開腹術にて手術を開始した。胸部下部食道から腹部食道左側に1~5cmにわたり破裂部があり、これを縫合閉鎖し縫合部に大網を被覆し胸腔、腹腔内にドレナージチューブを留置し、手術を終了した。術後54日目に独歩退院となった。
©Nankodo Co., Ltd., 2007