発行日 2008年7月1日
Published Date 2008/7/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00349.2008256268
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61歳女。嚥下に伴う咳嗽が小児期よりあった。胸部X線で気管透亮像に重なる食道の拡張像と右下肺野の浸潤影を認めた。CTでは食道内腔が拡張し、右気管支中間幹内腔との交通がみられ、3D-CTで食道と気管支は直接吻合を形成していることが確認された。気管支鏡では右気管支中間幹膜様部に瘻孔を認め、嚥下時には食道粘膜が盛り上がり、瘻孔は閉塞された。開胸術を施行し、右中葉は大部分が器質化していた。下葉は縦隔と癒着しており、これを鋭的に剥離して気管支中間幹と食道の吻合を明示した。吻合部の食道壁を自動吻合部で切離し、気管支食道瘻を離断した。食道側断端はLembert吻合により埋没させ、気管支側断端は広背筋膜を貼付し両断端が接することがないようにした。吻合部周囲にリンパ節の腫大は認めなかった。
©Nankodo Co., Ltd., 2008