発行日 2008年9月1日
Published Date 2008/9/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00393.2008366263
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79歳女性。患者は43歳時に右乳癌に対する胸筋合併乳房切除術を受け、73歳時に乳癌術後肺転移を認め、docetaxelによる化学療法にて腫瘍マーカー値は低下した。以後、tamoxifenによる内分泌療法にて経過観察となったが、77歳時に呼吸困難が出現し、著者らの施設へ入院となった。精査の結果、乳癌術後肺転移からの癌性リンパ管炎による急性呼吸不全と診断され、対症療法として酸素投与と副腎皮質ホルモンの投与を開始した。その結果、入院3日目よりmedroxyprogesterone acetate(MPA)投与を開始したところ、呼吸状態は軽快し、胸部X線所見も著明な改善を認め、退院となった。MPA投与を継続した結果、退院6ヵ月後には腫瘍マーカーの著明な低下を認め、2年6ヵ月経過現在、特に呼吸困難はみられていない。
©Nankodo Co., Ltd., 2008