小型肺癌の治療戦略とその成績
小型肺癌の治療戦略とその成績 1cm以下の微小肺癌をどうするか
濱武 大輔
1
,
宮原 聡
,
吉田 康浩
,
柳澤 純
,
蒔本 好史
,
平塚 昌文
,
吉永 康照
,
白石 武史
,
岩崎 昭憲
1福岡大学 呼吸器・乳腺内分泌・小児外科
キーワード:
術後合併症
,
術中期
,
生存率
,
腺癌
,
喘息
,
肺炎
,
肺腫瘍
,
肺切除
,
無気肺
,
治療成績
,
ビデオ下胸腔鏡手術
,
腫瘍量
,
組織診
Keyword:
Adenocarcinoma
,
Asthma
,
Pulmonary Atelectasis
,
Intraoperative Period
,
Lung Neoplasms
,
Postoperative Complications
,
Pneumonectomy
,
Pneumonia
,
Survival Rate
,
Treatment Outcome
,
Thoracic Surgery, Video-Assisted
,
Tumor Burden
pp.25-28
発行日 2012年1月1日
Published Date 2012/1/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00349.2012214652
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小型肺癌の治療戦略とその成績において、1cm以下の微小肺癌をどうするか検討した。術後の病理組織学検査で1cm以下の微小な肺癌と診断された123例を対象とした。気管支鏡下生検で術前組織診断の得られたものはわずか約1割(13例)で、ほとんどの診断は術中での迅速病理検査によるものであった。104例に術中診断を行い、98例は肺部分切除による迅速組織診断、その他の6例は針吸引迅速細胞診断により確定診断を得た。癒着や高度の不全分葉などを理由に開胸へ移行した症例が12例あった。出血による再開胸や人工呼吸器管理を必要とした症例はなく、手術関連死亡例も認めなかった。術後の再発形式は、リンパ節への局所再発はなく、遠隔転移再発を2例に認めた。全例の5年生存率は92.3%、10年で85.7%であった。各術式別の長期予後に差は認めなかった。VATS使用例と開胸例と比較しても有意差は認めなかった。
©Nankodo Co., Ltd., 2012