発行日 2008年6月1日
Published Date 2008/6/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00349.2008236398
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2cm以下の小型肺腺癌切除患者126例を対象に、野口分類と高分解能CT(HRCT)所見を調べ、積極的縮小手術の適応について検討した。HRCT所見で、収縮像の有無に関わらずスリガラス陰影(GGO)長径比(最大径から充実部分最大径を引いたものを最大径で除したもの)が1と0.5以上の例では、いずれも術後標本による野口分類AまたはB型で、肺癌死はなかった。収縮像を有する割合は、GGO長径比1で5%、0.5以上59%、0.5未満69%、0が71%、野口分類A型13%、B型57%、C型84%、その他29%であった。葉切除78例において、術後野口分類別にリンパ節転移率をみるとA型0%、B型8%、C型27%、その他60%、術中野口分類では順に0%、8%、32%、100%であり、術中野口分類B型のみ縮小手術を行った場合は8%が不完全手術になると考えられた。HRCT所見ではリンパ節転移率はGGO長径比1が0%、0.5以上が0%、0.5未満が11%、0が29%であった。縮小手術の適応基準としては、術中野口分類A型に加え、B型でGGO長径比0.5以上とするのが妥当と考えられた。
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