発行日 2008年7月1日
Published Date 2008/7/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00349.2008256265
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
心大血管手術を行った維持血液透析患者21例(男16例・女5例・平均68.0歳)の成績を報告した。疾患内訳は虚血性心疾患15例、大動脈弁疾患、先天性心疾患各2例、腹部大動脈瘤、閉塞性動脈硬化症各1例で、術式は冠状動脈バイパス術15例、大動脈弁置換術2例、心房中隔閉鎖術+三尖弁形成術、左側三尖弁形成術、腹部大動脈Yグラフト置換術、腋窩動脈-両側大腿動脈バイパス術各1例であった。予定手術は16例、緊急・準緊急手術は5例で、手術待機期間は平均3.0ヵ月であった。死亡は早期1例、遠隔期2例で、生存曲線による5年生存率は83.5%であった。同時期の非手術血液透析52例の5年生存率は58.8%で、有意差はなかった。遠隔期死亡に関連する因子の検討では、術前透析期間70ヵ月以上群は未満群に比較して5年生存率が有意に低値であったが、年齢、待機期間、左室駆出率、手術時間、喫煙歴、糖尿病性腎症、高血圧、手術緊急性、術中人工心肺使用に関しては有意差はなかった。
©Nankodo Co., Ltd., 2008