発行日 2008年6月1日
Published Date 2008/6/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00349.2008236407
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51歳女。幼少時より心雑音を指摘されており、6年前に精査を行い肺動脈弁下狭窄と診断されていた。今回、経過観察の心エコーで右冠尖位Valsalva洞中央部から右室流出路に突出した動脈瘤を認めた。自覚症状はなかったが、破裂した場合に急性心不全から予後不良となる危険性を説明し、手術の同意を得た。人工心肺確立後、上行大動脈を遮断して大動脈切開を行い、Valsalva洞を観察したところ、右冠尖位Valsalva洞に径1cmの動脈瘤の入口部を認めた。次いで肺動脈弁上で肺動脈を縦切開し、肺動脈弁直下の右室流出路に2cmの嚢状動脈瘤を認めた。心室中隔欠損の合併はなく、榊原・今野分類I型であった。瘤を右室側から切開して瘤壁を全切除し、辺縁にプレジェット付き4-0タイクロン糸を8針水平マットレスでかけてダクロンフェルトで裏打ちした自己心膜パッチを縫着し、瘤入口部を右室側からパッチ閉鎖した。術後経過は良好で、心雑音は消失した。
©Nankodo Co., Ltd., 2008