発行日 2008年4月1日
Published Date 2008/4/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00349.2008178600
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症例は54歳男性で、複視を主訴に、近医の頭部CTにて中脳出血と診断され保存的治療を受け軽快したが、胸部X線にて肺野の異常陰影を指摘され、当院紹介となった。胸部X線・CTでは右肺門部に腫瘤影と多発性嚢胞を認め、経気管支鏡下生検にて非小細胞肺癌と組織診断され、右上葉切除および同側II群リンパ節郭清を施行した。病理組織学的に肺多型癌と診断され、術後3日目に歩行困難が出現し、頭部CTにて中脳の再出血を認めた。保存的に経過観察したが、術後13日目に呼吸状態の悪化と意識障害が出現し、緊急開頭血腫除去術を施行したところ、病理組織学的に肺多型癌の脳転移(臨床病期stage IV)が判明した。術後carboplatin(CBDCA)+paclitaxel(PTX)による化学療法を追加したが、3ヵ月後に局所再発を認め、全脳照射を施行した。11ヵ月経過した現在、外来にて化学療法を継続中である。
©Nankodo Co., Ltd., 2008