発行日 2008年3月1日
Published Date 2008/3/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00349.2008148979
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62歳男。健康診断で胸部X線異常陰影を指摘され、精査加療目的で当院紹介となった。胸部X線で右中肺野、肺門部付近に淡い腫瘤影があり、胸部CTにて右肺上葉S3に一部肺動脈と重なる3.0cm大の腫瘤影を認めた。PETを施行したところ、腫瘍性病変に一致して比較的高い集積を認め、悪性腫瘍の可能性が示唆された。気管支鏡検査では右B3入口部に凝血塊を伴うポリープ状の腫瘤を認めた。気管支擦過および集痰検体中に悪性細胞は認められなかった。原発性肺癌の疑いで右肺上葉切除術を施行し、術中迅速組織診断にて炎症性偽腫瘍との診断を得た。病理組織所見にて、気管支壁を中心に増生し、ポリープ状に内腔に突出する腫瘍性病変で、inflammatory pseudotumor(Matsubaraらの分類によるlymphoplasmacytic type)の診断であった。術後経過は良好で、術後14日目に退院となった。
©Nankodo Co., Ltd., 2008