発行日 2007年9月1日
Published Date 2007/9/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00349.2008008056
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77歳女。患者は胸部不快感を主訴とした。精査にて大動脈弁閉鎖不全症および高度石灰化を伴う上行大動脈瘤が指摘された。胸部X線では上行大動脈から弓部大動脈にかけて高度石灰化が認められ、術前CTでは上行大動脈の石灰化がValsalva洞直上より始まり、左鎖骨下動脈起始部まで連続していた。また、弓部分岐も石灰化が著明であった。以上より、治療として超低体温循環停止下に大動脈切開部より遠位部にステントグラフトを挿入し、バルーンにて拡張した。その結果、術後は重篤な合併症を認めず、独歩で退院となった。尚、術後CTでは上行大動脈内のステントグラフトが右総頸動脈にかかっておらず、エンドリークがないことや、瘤の血栓化が確認された。
©Nankodo Co., Ltd., 2007