発行日 2008年11月1日
Published Date 2008/11/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00349.2009052478
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63歳女。5年前から持続する両側上肢冷感、倦怠感を主訴とした。1年前検診で心雑音を指摘された。心エコー所見では大動脈弁閉鎖不全症(AR)IV度で、大動脈弁弁尖には軽度の硬化性変化を認めた。胸部CTでは上行大動脈に石灰化が散在し、両側鎖骨下動脈は閉塞しており、側副血行路で両側腋窩動脈以遠が造影された。手術方法は大動脈弁置換術および上行大動脈-両側腋窩動脈バイパス術とした。術前、マルチスライスヘリカルCTを用い、大動脈壁の柱状や形態を三次元画像で詳細に検討した。石灰化のため鉗子による大動脈遮断は困難と判断し、脳梗塞予防のため独自にオクルダーを作成し、大動脈内から血流遮断を行った。術後経過良好で、第14病日に軽快退院した。
©Nankodo Co., Ltd., 2008