臨床室
温熱化学療法のみによって長期無病生存を維持している切除不能悪性腫瘍の1例
横倉 聡
1
,
飯島 卓夫
,
侭田 敏且
,
飯原 久仁子
,
五嶋 孝博
1社会保険中央総合病院 整形外科
キーワード:
Cisplatin
,
Doxorubicin
,
温熱療法
,
肩
,
抗腫瘍剤
,
腫瘍多剤併用療法
,
MRI
,
生検
,
X線CT
,
免疫組織化学
,
集学的治療
,
無病生存
,
組織球腫-悪性線維性
Keyword:
Antineoplastic Agents
,
Antineoplastic Combined Chemotherapy Protocols
,
Biopsy
,
Combined Modality Therapy
,
Cisplatin
,
Doxorubicin
,
Hyperthermia, Induced
,
Immunohistochemistry
,
Magnetic Resonance Imaging
,
Shoulder
,
Tomography, X-Ray Computed
,
Disease-Free Survival
,
Histiocytoma, Malignant Fibrous
pp.225-228
発行日 2014年3月1日
Published Date 2014/3/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00764.2014317164
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症例は46歳男性で、右肩~側頸部腫瘤を主訴とした。MRIにて、長径20cmに及ぶ多結節性の腫瘤が右肩甲骨部から右側頸部にかけて増殖していた。腫瘍の浸潤範囲より根治的広範切除は不可能と判断し、腫瘍の縮小を期待して温熱化学療法を選択した。抗癌薬はシスプラチン、ドキソルビシン塩酸塩を使用し、同時にサーモトロンRF8による8MHz誘電加温を実施した。その後CTで腫瘍の著明な縮小傾向が認められ、7クールの温熱化学療法が施行された。7クールの温熱化学療法終了後、経過観察を行ったが、その後一貫して腫瘍の再発と転移は認められず、治療終了後5年以上を経過し、MRIでも全く異常は認められなかった。
©Nankodo Co., Ltd., 2014