日常しばしば遭遇する非上皮性腫瘍
消化器系以外の臓器原発の非上皮性腫瘍 診断と最近の治療戦略 悪性線維性組織球腫(MFH)
七戸 俊明
1
,
道免 寛充
,
加藤 健太郎
,
土川 貴裕
,
高橋 康宏
,
三浦 秀彦
,
樋田 泰浩
,
田中 栄一
,
加賀 基知三
,
平野 聡
,
近藤 哲
1北海道大学 腫瘍外科
キーワード:
腫瘍多剤併用療法
,
放射線療法
,
免疫組織化学
,
リンパ節郭清
,
アジュバント放射線療法
,
ネオアジュバント療法
,
組織球腫-悪性線維性
,
CYVADIC Protocol
Keyword:
Antineoplastic Combined Chemotherapy Protocols
,
Immunohistochemistry
,
Lymph Node Excision
,
Radiotherapy
,
Radiotherapy, Adjuvant
,
Neoadjuvant Therapy
,
Histiocytoma, Malignant Fibrous
,
CYVADIC Protocol
pp.1195-1198
発行日 2008年11月1日
Published Date 2008/11/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00393.2008377208
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悪性線維性組織球腫(MFH)は骨軟部組織に発生する中高年に頻度の高い肉腫として知られているが、最近の免疫組織化学的染色などによる慎重な除外診断で、従来MFHと診断されていた腫瘍の多くがほかの肉腫であるとされる。また2002年に発表された新WHO分類においては、MFHの同義語としてundifferentiated pleomorphic sarcomaの名称が提唱され、病理学的な取り扱いが大きくかわりつつある疾患である。治療は十分なマージンをとった切除が基本であるが、MFHは筋膜や筋肉まで浸潤していることが多いため広範囲の欠損になりやすく、体幹の腫瘍では時に筋皮弁の再建など形成外科的な処置が必要となる。また、四肢の病変では患肢の温存が問題となる。
©Nankodo Co., Ltd., 2008