発行日 2007年3月1日
Published Date 2007/3/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00349.2007150035
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56歳男。1997年に急性解離性大動脈瘤(stanford A型)で上行大動脈および部分弓部大動脈置換術施行した。5年後に胸部下行大動脈の拡大を認めるも手術は行わず、1年後の両下肢脱力、両下肢感覚障害、膀胱直腸障害の出現で手術入院となった。両下肢の筋力、左下肢の振動覚、痛覚は著明に低下して腎機能障害も認めた。左第1弓と下行大動脈の拡大、CTより最大径80mm大の下行大動脈瘤を認め、大動脈は横隔膜直上で極度に蛇行していた。MRIより前脊髄動脈は描出不良でAdamkiewicz動脈は同定不能であった。脊髄保護目的に手術前日より髄液ドレナージを行い、下行大動脈置換術を施行し、CSFドレナージは術後72時間継続した。膀胱直腸障害は遷延したが対麻痺は速やかに改善され、術後26日独歩にて退院した。
©Nankodo Co., Ltd., 2007