発行日 2007年2月1日
Published Date 2007/2/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00349.2007114072
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
50歳男、胸部異常陰影を主訴とした。糖尿病、高血圧の既往があった。15年前に縦隔腫瘍の精査を受けたが治療不要といわれ放置していた。急性胆嚢炎で入院した際、胸部X線にて心陰影の右側に接して最大径約5cm大の腫瘤影を認めた。CTでは造影効果のある境界明瞭な腫瘤、胸壁や横隔膜から腫瘤に流入する血管を認めた。縦隔原発血管腫やCastleman病を念頭に置いて開胸したところ、腫瘍は縦隔胸膜に包まれており、縦隔胸膜を切開し縦隔脂肪織内の血管を丹念に結紮切離した。腫瘍と一部縦隔脂肪を摘出した。病理組織所見は血管の増生とリンパ濾胞の形成がわるく硝子化が目立つが、Castleman病硝子血管型と診断した。術後経過は良好で第11病日に退院した。
©Nankodo Co., Ltd., 2007