発行日 2007年12月1日
Published Date 2007/12/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00393.2008117117
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症例は18歳女性で、臍右側の腹部腫瘤を自覚した。単純CTは下腹部の多血性腫瘍を示し、中心壊死、変性を伴う消化管間葉系腫瘍を第一に考える像であった。MRIは、T1強調画像でほぼiso intensity、T2強調画像で淡いhigh intensityを示した。CT、MRIとも消化管との明確な連続は指摘できなかった。小腸の壁外性に発育した間葉系腫瘍と思われたが、診断的治療として腫瘍摘出術を行った。切除標本は最大径7.5cmの線維性の被膜を有する黄白色調の髄様な充実性腫瘍で、中心に線維化巣を有していた。病理組織学的には、小型から中等大の円形細胞が増殖する病変で、一次濾胞と思われる細胞密度の高い領域が島状にみられ、リンパ組織と考えられた。リンパ濾胞の中心や濾胞間組織には硝子化した壁を伴った多数の毛細血管の増生が認められた。HV形のCastleman's diseaseと診断した。術後経過は良好で、約2年2ヵ月経過現在、再発は認められない。
©Nankodo Co., Ltd., 2007