発行日 2004年10月1日
Published Date 2004/10/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00349.2005051658
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1988年11月から2004年3月までに胸膜肺摘除術を施行した胸部原発悪性腫瘍24例を対象とし,手術を含む臨床経過および予後などをretrospectiveに調査・解析した.疾患の内訳は原発性肺癌15例,胸腺腫3例,悪性胸膜中皮腫(MPM)6例であり,原発性肺癌では女性が73%を占め,比較的若年層に多く組織型は全例腺癌であった.中間生存期間は34ヵ月,5年生存率は45.5%,10年生存率は30.3%であり,リンパ節転移別ではN0/1例とN2例の5年生存率に有意差を認めた.胸腺腫はいずれもWHO分類B2の浸潤性胸腺腫であり,全例生存中である.MPMは全例男性で比較的若年にみられ,組織型は上皮型と二相型が同数であった.6例中5例が術後15~27ヵ月で死亡しており,MSTは18ヵ月であった.胸膜肺摘除術はMPMのみならず原発性肺癌や浸潤性胸腺腫による癌性胸膜炎の根治治療として検討していく価値のある治療法と考えられた
©Nankodo Co., Ltd., 2004