発行日 2004年10月1日
Published Date 2004/10/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00349.2005051660
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1998年9月から2002年12月までに胸膜肺摘除術を受けた悪性胸膜中皮腫(MPM)7例を対象とし,術後経過および予後について検討した.対象症例は男6例,女1例(平均年齢65歳),術後合併症を3例(43%)に認め,手術死亡は1例(14%)であった.IMIG分類による術後病期はI期2例,II期1例,III期3例,IV期1例であり,術後に局所再発を認めた3例には放射線療法単独あるいは化学療法との併用が行われ,遠隔再発を認めた2例には化学療法または対症療法が施行された.同期間の非手術例10例と予後を比較した結果,手術群では中間生存期間16ヵ月,1年生存率71%,2年生存率57%であったのに対し,非手術群では中間生存期間10ヵ月,1年生存率40%,2年生存率0%と手術群が良好な傾向を示した.胸膜肺摘除術は術後補助療法とあわせ,MPMに対する有効な治療法と成り得る可能性があると考えられた
©Nankodo Co., Ltd., 2004