胸部・気道損傷の治療
気管・気管支・肺の損傷 外傷性気管・気管支損傷の外科治療
清水 哲哉
1
,
松崎 泰憲
,
鬼塚 敏男
1宮崎大学 第二外科
キーワード:
開胸術
,
気管支疾患
,
気管疾患
,
胸部外傷
,
交通事故
,
内固定法
,
自殺未遂
,
網
,
胸部CT
,
大網充填術
Keyword:
Accidents, Traffic
,
Bronchial Diseases
,
Fracture Fixation, Internal
,
Omentum
,
Tracheal Diseases
,
Suicide, Attempted
,
Thoracotomy
,
Thoracic Injuries
pp.1007-1011
発行日 2006年10月1日
Published Date 2006/10/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00349.2007020969
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様々な気管・気管支損傷5例の治療を経験した。症例1は36歳の男性で、交通外傷にて頸部気管完全断裂を受傷し緊急気管切開を施行されて3日後に当院に搬送され、気管の完全断裂を認め膜様部のみを縫合し気管切開チューブを留置挿入し両側反回麻痺に対して気管Tチューブを留置して退院し、半年後に抜去した。症例2は、47歳の男性で、交通外傷にて胸部気管裂傷を受傷し、胸骨骨折と多発肋骨骨折による胸郭動揺により気管内挿管を行い、右開胸にて気管支裂傷部の直接縫合と有茎性大網被覆術を施行した。各種の合併外傷は保存的治療で軽快し、1ヵ月後に軽快退院した。症例3は74歳の男性で、シカと誤認されて散弾銃で誤射されて頸部気管不全断裂を受傷した。気管損傷部を縫合し、銃弾を摘出し左反回神経麻痺を認めたが、3週間後に退院し健在である。症例4は、56歳の女性で、トラクター運転中に堤防から転落して左主気管支完全断裂及び気管分岐部裂傷を受傷し、経皮的心肺補助装置を使用して主気管支の縫合などの処置を行ったが、術後3日目に多臓器不全にて死亡した。症例5は31歳の女性で、自殺企図にて包丁で左胸部を刺し、左主気管支不全断裂を受傷した。多量の血腫を除去し、出血への対応が困難なため左肺摘除術を行い、3週間後に退院し健在である。
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