発行日 2006年7月1日
Published Date 2006/7/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00349.2006269257
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
63歳男.下肢に間欠跛行が出現した.若年より心房細動があったが放置していた.内服治療により症状は改善したが,動脈硬化所見が乏しいことから心房細動による心原性血栓塞栓症を疑った.心エコー四腔断層では,右房内の腫瘤が心収縮に伴って大きく揺れ動く所見を認めた.肺血流シンチに肺梗塞所見はみられなかった.開胸すると右房に暗赤褐色の球状血栓を認め,摘除した.血栓は54×40×25mm大,23.8gで,割面は層状であった.心房中隔欠損や卵円孔開存はみられなかった.術後,抗血小板・抗凝固療法を開始した.経過は良好で,術後2年現在,再発はない.血栓塞栓症は心房細動により生じることもあり,心房細動に対する抗凝固療法の必要性が考えられた
©Nankodo Co., Ltd., 2006