発行日 2015年12月1日
Published Date 2015/12/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00349.2016087082
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症例は48歳男性で、道路で作業中に自動車に轢かれて前医へ救急搬送され、左脛骨・腓骨開放骨折に対し内固定術が行われたが、術後右肺動脈に急性肺血栓塞栓症を発症し、血栓溶解療法は骨盤骨折で出血リスクが高く、右肺動脈の完全閉塞の広範囲血栓のため、カテーテル治療は効果不十分との判断で大動脈内バルーンパンピング(IABP)と経皮的心肺補助装置(PCPS)を挿入後に外科的血栓除去術目的に当院へ転院した。CTで右肺動脈を完全閉塞する血栓を認め、緊急手術を行った。体外循環後に心停止を得て、右肺動脈末梢側の大量の血栓を可及的に除去した。経過は良好で6時間後にPCPSを抜去し、翌日にはIABP、気管内チューブを抜去した。術後7日目に深部静脈血栓予防のため大静脈にフィルターを留置した。術後15日目に神経学的後遺症はなく、リハビリテーション目的で転院した。
©Nankodo Co., Ltd., 2015