発行日 2006年5月1日
Published Date 2006/5/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00349.2006210168
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75歳男.2年前から胸部異常陰影を指摘されていた.胸部X線,CTで左上肺野に3.0cm大の胸壁に浸潤する充実性結節影を認め,#5リンパ節は腫大していた.PET-CTでは腫瘍と#5リンパ節の他に,脾結腸曲付近にもFDGの集積を認めた.生検で確定診断できず,便潜血反応陽性より大腸腫瘍合併を疑ったが腹部CTでは腫瘍を認めず,肺腫瘍の手術を優先した.術中迅速病理で扁平上皮癌と診断し,左上葉・胸壁合併切除,縦隔リンパ節郭清を行った.術後病理は中分化型扁平上皮癌で,肋骨・肋間筋への浸潤,#5リンパ節転移を認め,pT3N2M0,IIIA期と診断した.術後10日目より炎症所見,腹部膨満,食思不振が出現し,腹部CTで脾結腸曲内側に膿瘍形成と小腸腫瘍を認め,これらによる腸閉塞と診断して緊急手術を行った.肉眼的に腫瘍を確認できず,憩室炎と考えて小腸および結腸の部分切除を行ったが,病理組織学的に肺癌の小腸転移を認めた.術後3ヵ月には骨転移を来たした
©Nankodo Co., Ltd., 2006