発行日 2006年5月1日
Published Date 2006/5/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00349.2006210164
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76歳男.咳嗽,喀痰が出現し,心エコーでIV度の大動脈弁閉鎖不全,II度の僧帽弁閉鎖不全を認めた.手術所見で,大動脈弁は三尖で,左冠尖-右冠尖間の交連と,左冠尖-無冠尖間の交連からValsalva洞への索状物を認めた.左冠尖と無冠尖との間の索状物は断裂しており,左冠尖と無冠尖とが左室に逸脱していた.各弁尖を切除して大動脈弁置換術を行った.病理組織所見で弁は軽度の線維化を示していた.索状物も線維化し,線維細胞・線維芽細胞の浸潤を認めたが,リンパ球浸潤,石灰化はなく,胎生期の遺残組織と考えられた.術後経過は良好で,第14病日に退院した
©Nankodo Co., Ltd., 2006