発行日 2009年8月1日
Published Date 2009/8/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00349.2009298958
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78歳女。大動脈弁閉鎖不全症(AR)にて外来通院中、労作時息切れが増悪して当科紹介となった。胸部X線で心拡大、縦隔の右方偏位と右肺野の透過性の低下を認めた。また、胸部CTでも縦隔の右方偏位を認め、両肺の気腫性変化も認めた。左肺縦隔側は正中を大きく越えていた。右陳旧性肺炎により高度の右側縦隔偏位をきたした大動脈弁閉鎖不全症と診断し、右開胸下に大動脈弁置換術を施行した。体位は左半側臥位とし、右第4肋間前側方切開にて開胸した。第4肋骨を肋軟骨部で切離したため、視野は非常に良好となり、術野の中心に大動脈基部を認めた。当初、上行大動脈送血の予定でいたが、送血管と遮断鉗子が入ると術野が制限されてしまうため、右大腿動脈送血、右房脱血に変更して体外循環を確立した。弁尖を切除後、CEP 19mmにて大動脈弁置換術を施行した。術後経過は良好で、術後のX線で縦隔の右方偏位に変化はなかったが、心拡大は改善していた。
©Nankodo Co., Ltd., 2009