発行日 2006年5月1日
Published Date 2006/5/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00349.2006210152
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59歳男.仕事中に突然倒れ,救急隊到着時に心電図上心室細動(Vf)を認め電気的除細動を施行した.救急外来到着時には洞調律と心室頻拍(VT)を繰り返し,気管内挿管後,大動脈内バルーンパンピングを挿入して緊急冠状動脈造影を行ったところ,左冠状動脈主幹部+3枝病変を認めた.緊急手術を行い心膜切開したところ,前壁から心尖部,下壁はakinesisであった.心筋保護はtepid warm blood cardioplegiaを順行性・逆行性に併用投与し,更にterminal warm blood cardioplegiaを行った.左内胸動脈-左下行枝,大伏在静脈(SVG)-#4後下行枝,SVG-後壁側枝の3枝冠状動脈バイパス術を施行した.術後心室性期外収縮,VT,Vfを認めたが,薬物投与により改善し,第19病日に電気生理検査を行った.VT study陽性であったため植え込み型除細動器(ICD)を装着し,第36病日に独歩退院した.術後1年3ヵ月経過し,心機能の改善を認め,ICDの作動もなく社会復帰している
©Nankodo Co., Ltd., 2006