発行日 2006年4月1日
Published Date 2006/4/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00349.2006157061
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大動脈弁置換術(AVR)の人工弁選択に際し,高齢者も若年者同様の基準で考えるべきかについて検討した.1999~2005年にAVRを施行した75歳以上21例,75歳未満56例を対象に有効弁口面積指数(EOAI)を,1)85cm2/m2超,2)85cm2/m2以下0.7cm2/m2超,3)7cm2/m2以下の3群に分けて検討した.1)観察期間は0~78.8ヵ月で,弁関連イベント,生命曲線に差は認めなかった.2)EOAI 0.7cm2/m2超では遠隔期にかけて左室心筋重量係数(LVMI)の減少を認めたが,7cm2/m2以下では術直後にいったん減少したが,遠隔期には再び上昇した.7cm2/m2以下では改善が少なく,7cm2/m2がLVMIとNYHA分類からみたボーダーラインと考えられた.3)高齢者の狭小大動脈弁輪を伴う大動脈弁狭窄に対する治療方針を決定する際,EOAI 85cm2/m2超にこだわるべきではなく,中等度のpatient-prosthesis mismatchは受入れ,患者背景,ライフスタイル,術者の技術などをもとに総合的に判断する必要があると示唆された
©Nankodo Co., Ltd., 2006