発行日 2006年3月1日
Published Date 2006/3/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00349.2006153684
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生後10日の男児.生後2日に多呼吸,チアノーゼに気付き,心エコーで総肺静脈還流異常(Ia型),動脈管開存,卵円孔開存と診断された.右肺静脈,垂直静脈の走行を同定できなかったため肺動脈造影を施行したところ,右中肺静脈,右下肺静脈は右房の後方から右側で共通肺静脈を形成していた.垂直静脈は右肺門の後方を通り,上大静脈に近い無名静脈に流入し,流入部で狭窄を認めた.右上肺静脈は直接垂直静脈に流入していると推測した.左肺静脈は右房の後方から右側の共通肺静脈に流入していた.根治術を施行し,人工心肺確立後,共通肺静脈の左端を切開し垂直静脈を結紮した.開存卵円孔から卵円窩を切開し,左房後壁の右房側を切開した.共通肺静脈の切開線を確認できたため,両切開を12mmまで延長し,右房を左側へ挙上し,右房右側から左房と共通肺静脈の吻合を7-0プロリンの連続縫合と結節縫合で行った.その後心房中隔を直接閉鎖した.術後28日の所見で肺静脈狭窄,還流鬱滞は認めなかった
©Nankodo Co., Ltd., 2006