発行日 2006年1月1日
Published Date 2006/1/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00349.2006105421
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IV期非小細胞肺癌切除例の治療成績および予後について検討した.対象は,過去20年間に肺切除術を行った非小細胞癌1156例中のIV期症例42例(3.6%:男性24例,女性18例・平均年齢63.7歳)であった.1)組織型は腺癌28例(67%),扁平上皮癌10例,大細胞癌2例,腺扁平上皮癌2例で,局所進展したT3-4は24例(57%),リンパ節転移陽性は27例(64%),転移部位は肺(pm2)が19例(45%)と最も多かった.2)術前化学療法を6例(14%)に,術後補助化学療法を18例(43%)に,放射線治療を6例(14%)に施行し,12例(29%)には補助療法は施行しなかった.3)全体の予後は,中間生存期間(MST)が12.3ヵ月,1年生存率が51.8%,5年生存率が9.8%と不良であった.4)転移部位別生存率は,肺が他の転移に比し有意に良好であり,pm2の2例で5年生存が得られた.尚,MSTは肺20.6ヵ月,脳(8例)8.6ヵ月,骨(5例)4ヵ月,副腎(2例)0.9ヵ月であった
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