発行日 2008年2月1日
Published Date 2008/2/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00764.2008146479
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65歳男性。患者はイノシシ狩り中に斜面ですべり、散弾銃から貫通弾を誤砲して自分の左足部を撃ち抜き受傷し、緊急搬入された。銃弾は厚い靴底を貫通せず、左足部背側の母趾中足骨付近に銃弾入口部と足底部の広範な組織欠損を認め、創内部に少量の異物を認めた。一方、X線およびCTでは左母趾中足骨粉砕開放骨折、母趾基節骨骨折を認め、母趾中足骨の背側は骨折線のみで底側は粉砕していた。直ちに沈降破傷風トキソイドの筋肉内注射、抗破傷風ヒト免疫グロブリンの点滴を行い、脊椎麻酔下に掻爬・洗浄・デブリドマンを行った。更に受傷8日後には組織欠損部に遊離薄筋弁移植と分層皮膚移植を行った。その結果、術後3週より踵足歩行用靴型装具装着で片松葉杖歩行を開始し、6週より部分荷重とし、3ヵ月で全荷重を許可した。歩行時痛の訴えはなく、移植弁の生着も良好であった。
©Nankodo Co., Ltd., 2008