発行日 2005年8月1日
Published Date 2005/8/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00349.2006004197
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80歳女.子宮体部癌の術前検査のため行った心エコーにて左房内に有茎性球状腫瘤が発見され,手術目的で紹介転科となった.経胸壁・経食道心エコー所見では左房後壁に茎を有する可動性の径約3cm大の球状腫瘤を認め,左室駆出率83.9%と心機能は良好なため左房内有茎性球状腫瘤の診断にて即日手術となった.手術では上行大動脈送血,上・下大静脈脱血にて常温で体外循環を確立,大動脈遮断・心停止後に右側左房切開を行い,右上肺静脈の1.5cm内側の左房後壁に径約3mmの茎を有して存在する腫瘤を心房内膜から削ぎ落とすように切除した.摘出標本の病理組織学的所見ではフィブリンの混在する血栓で小範囲の軽度器質化は認めるものの腫瘍性変化はみられなかった.術後経過は良好で17日目に退院となり,子宮癌は婦人科にて進行癌であることが判明したため保存的治療が選択された
©Nankodo Co., Ltd., 2005