発行日 2012年9月1日
Published Date 2012/9/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00349.2013004086
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症例は58歳男性で、3年4ヵ月前にBrugada症候群の診断で植込み型除細動器(ICD)を導入され、リード不具合のため心室リードを追加留置されたが、その際に無名静脈の閉塞が認められた。高熱が出現し、心エコーで右室リードに20×13mmの疣贅が付着しており、血液培養でメチシリン感受性黄色ブドウ球菌が検出された。リード感染と診断し、外科的リード抜去を選択した。体外循環を確立して心停止後、右房を縦切開して右心房内でリードを離断し、疣贅の付着した中枢側を抜去した。末梢側リードをジェネレータ側から牽引したところ、追加リードは抜去できたが、初回挿入の2本は高度に癒着し抜去できなかった。無名静脈~上大静脈(SVC)の切開が必要と判断し、超低体温・循環停止へと変更した。無名静脈はリードを囲んだ索状物と化しており、鋭的にリードを剥離して抜去した。SVCは直接縫合で閉鎖した。術後炎症反応は消失し、7ヵ月後にICD再植込み術が施行され、経過良好である。
©Nankodo Co., Ltd., 2012