発行日 2005年8月1日
Published Date 2005/8/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00349.2006004198
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69歳男.39年前に頸部血管腫切除の既往がある.検診の胸部単純X線検査にて異常を指摘され来院,胸部単純X線像上で気管の高度な右方への圧排偏位と狭窄,左肺野縦隔側の浸潤陰影と心陰影の拡大を認めた.頸胸部造影CTでは頸部から大動脈弓部に至り内部均一に造影される巨大な嚢胞性腫瘤と縦隔・心嚢内の液体貯留を認めた.39年前から上縦隔近傍血管腫の存在が確認され,それが徐々に増大して検診から来院までの間に破裂したものと考えられた.入院後,縦隔内にドレーンを挿入し約500mlの血性排液を認めたが細胞診では悪性所見を認めなかった.腫瘍増大に伴う再破裂と気道閉塞予防目的で左頸部から縦隔に至る血管腫の切除術を施行,術後は左反回神経麻痺と甲状腺機能低下を認めたが他の合併症はなく17日目に退院となった
©Nankodo Co., Ltd., 2005