投稿論文 短報
腫瘍内出血を伴って急速に増大し、急激に心不全を来した左房粘液腫の1症例
片山 勇人
1
,
Shavkat Abdiev
,
前田 豊敬
,
武富 太郎
1野崎徳洲会病院 麻酔科
キーワード:
Fentanyl
,
Midazolam
,
開胸術
,
出血
,
心臓腫瘍
,
心不全
,
心房
,
全身麻酔
,
粘液腫
,
経食道心エコー図
,
Rocuronium
,
緊急手術
,
心房切開術
Keyword:
Anesthesia, General
,
Fentanyl
,
Heart Neoplasms
,
Echocardiography, Transesophageal
,
Midazolam
,
Hemorrhage
,
Heart Atria
,
Heart Failure
,
Thoracotomy
,
Myxoma
,
Rocuronium
pp.638-640
発行日 2020年6月10日
Published Date 2020/6/10
DOI https://doi.org/10.18916/J01397.2020306879
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73歳女。動悸と呼吸困難を主訴に近医を受診し、経胸壁心エコー検査(TTE)で左房内に境界不明瞭な可動性腫瘤を認められた。左房内血栓の診断で翌日当院へ紹介受診の予定であったが、当日中に症状が急激に悪化したため当院へ救急搬送された。TTEで左房内腫瘤の一部が僧帽弁を越えて左心室内へ入り込む様子が観察された。また、左室壁運動の著しい低下と左室駆出率の低下を認め、左室腔内への心臓内血栓の進展、もしくは腫瘍塞栓による影響が疑われた。検査中に血圧が低下してきたため緊急に腫瘤摘出術を施行することとなった。開胸前に経食道心エコー検査を行ったところ、心房中隔に付着する腫瘤の茎が同定でき、腫瘤内に出血と思われる像が認められた。また、虚血によると思われる左室全体の壁運動低下が認められた。手術は心停止下に右側左房切開から腫瘤に到達して摘出し、病理組織所見から心臓粘液腫と診断した。
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