発行日 2005年6月1日
Published Date 2005/6/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00349.2005223321
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肺癌外科症例で最近の術後5年生存率が算出できる自験データ115例をできるだけ簡素化して解析し,各病院や施設が独自にインターネットで公開している肺癌患者の手術成績と比較,その治療成績公開方法に関する問題点を考察した.その結果,各病院・施設で得られた5年生存率に大きな開きがみられた.しかし,患者背景が詳細に同時に開示されたものではなく,標準誤差も併記されていないので,その原因が患者背景の相違によるのか,医療技術の優劣にあるのかは早急に結論付けられなかった.したがって,5年生存率の公開には集計の対象とした手術症例数,集まる患者の傾向やばらつき,手術に対する治療方針や手術内容,術後経過,術後補助療法の内容,核施設間の連携の程度,データ解析の方法などを同時に呈示されなければならないと考えられた.また,データを比較・検討する際には,標準誤差とリスク許容度も同時に考慮する必要があると考えられた
©Nankodo Co., Ltd., 2005