発行日 2005年6月1日
Published Date 2005/6/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00349.2005223320
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
著者らが最近3年間に経験した肺癌手術例のうち,80歳以上の超高齢者症例8例を対象に後方視的に検討し,治療方針について報告した.1)6症例では併存疾患や肺機能が大して問題とはならず,その結果,術後合併症もなく,若年者と同様な周術期管理で,短期間で退院可能であった.2)術前の呼吸機能に問題がなく,併存疾患のないI期例では,標準開胸,肺葉切除,2群リンパ節郭清までであれば,安全に施行可能であることが示唆された.術後のQOLも低下していないようであり,観察期間は短いものの再発も確認されなかった.3)胸壁浸潤のあった2症例では術後合併症が発生していた.胸壁合併切除等を伴う進行肺癌例の手術については,慎重に治療法を検討し,手術にあたっては厳重な術後管理が必要であった.尚,1例に痴呆を認めたが,痴呆例は基本的に手術適応外されているが,家族の希望により手術を行い,安全性を優先して部分切除に止めた
©Nankodo Co., Ltd., 2005