発行日 2015年12月1日
Published Date 2015/12/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00349.2016087086
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症例は57歳女性で、9年前に難治性心室頻拍(VT)・うっ血性心不全で入院し、拡張型心筋症(DCM)と診断され、同時に左室後壁に心室瘤を指摘された。難治性VTに両室ペーシング機能付き植込み式除細動器を導入したが、VT頻回で根治できず当科紹介となった。X線で心胸郭比58%と心拡大を認め、心電図ではVT発生時は右脚ブロック型右上方軸のVTであった。心エコーでは軽度の僧帽弁閉鎖不全症、三尖弁閉鎖不全症を認め、CTで左室の著明拡大、基部後壁に心室瘤を認めた。手術は人工心肺確立後に左室瘤を切開し、切除縁全周性にcryoablationを行った。瘤の入口部周囲にマットレス縫合を置き、ダクロンパッチで修復し、切開部心筋層はフェルトで挟み二重縫合した。病理所見では、内膜側優位に線維化を、外側にviableな心筋線維を認め、心筋細胞に変性と肥大を認めた。術後経過は良好で20日目に退院し、術後31ヵ月経過でVTの再発は認めていない。
©Nankodo Co., Ltd., 2015