発行日 2005年2月1日
Published Date 2005/2/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00349.2005166474
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4歳女児.生来健康であったが,定期検診にて心雑音を指摘された.エコー,造影CT,MRI,経食道心エコー(TEE)所見より,心室中隔に頸部をもち収縮期には左室腔を充満し,かつ左室流出路に突出するように存在する嚢胞状腫瘤を認めたため,摘出術を施行した.安全に腫瘍を全切除するため,上・下大静脈直接脱血により速やかに体外循環を開始し,その直後に大動脈を遮断した.また,腫瘍摘出中は順行性心筋保護液を連続的に注入して大動脈弁閉鎖を維持し,TEEを積極的に利用し視覚的に切除の完成度を確認した.摘出標本は4×3×3cm大の粘液調の軟らかい腫瘤病変で,病理組織所見より粘液腫細胞の増生を認めた.良好な術後経過をたどり,エコーおよびMRIで腫瘍残存を示唆する所見は認めず,退院となった
©Nankodo Co., Ltd., 2005