発行日 2005年2月1日
Published Date 2005/2/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00349.2005166473
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症例1:70歳男.症例2:70歳女.共に肺癌疑いで手術を施行,術中迅速病理診断により,症例1は低分化扁平上皮癌,症例2は高分化腺癌と判明した.共に左上葉切除およびND2aを施行し,症例2については肥満体型のため,術後および翌日にheparin sodium皮下注を行った.術後第4病日,症例1で高熱と腹部疝痛,症例2で左上腹部痛,嘔気,嘔吐が出現した.血液検査で症例1は白血球増多とLDHの著明上昇,BUN,CREの軽度上昇を,症例2はGOT,GPT,LDHの上昇を認めた.腹部造影CTにて症例1は右腎実質に,症例2は脾に低吸収域を認めたため,それぞれ腎梗塞および脾梗塞と診断した.心エコーなどの検索で塞栓源は同定できず,経過中不整脈発症のエピソードはなかった.両症例とも保存的経過観察にて症状は改善したが,それぞれ術後3年8ヵ月,4ヵ月の腹部造影CT上,症例1では右腎の著明な萎縮・瘢痕化を,症例2では脾の梗塞巣に一致した部分に,瘢痕化による著明な萎縮を認めた
©Nankodo Co., Ltd., 2005