発行日 2005年2月1日
Published Date 2005/2/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00349.2005166468
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外傷性肺嚢胞11例について,異なる経過と転帰を迎えた3例を中心に報告した.11例は全例男性,原因は交通外傷が最多であった.症例1:17歳男.7m下の床に転落した.X線像で多発肋骨骨折と血胸を認め,開胸所見にて左下肺静脈が損傷し出血,また肋骨骨折に一致する肺の小裂傷から出血していた.自動縫合器で肺門を一括処理し左肺切除によりほぼ止血したが,播種性血管内凝固を合併し死亡した.摘出肺標本より,不全分葉の上・下葉を縦に貫く大きな外傷性肺嚢胞を認めた.症例2:19歳男.交通事故で受傷し,X線像で左側の多発肋骨骨折と両側気胸を認め,胸腔ドレーンを留置した.CTにて左上葉に出血による大きな嚢胞を認め,左上葉支からの出血も認めたため,後側方切開第5肋骨床開胸にて左上葉を摘出,術後経過は良好であった.症例3:11歳男.転倒にて打撲し,X線像で右外側部に皮下気腫と縦隔側下方に透亮象を,更にCTにて右下葉内に出血による嚢胞を認めた.経過観察により軽快し第6病日に退院した
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