発行日 2004年12月1日
Published Date 2004/12/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00349.2005089250
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67歳女.幼少時より咳嗽発作を認めていた.20年前より4回肺炎を発症し,ここ数年は年に2~3回感冒様症状が悪化していた.1ヵ月ほど前より咳嗽,喀痰,微熱が続くため受診し,画像所見から先天性食道気管支瘻と診断,手術の方針とした.待機中に大量喀血をきたし緊急入院となった.喀血は1日500mlを超え,気管支鏡処置でも止血困難であった.緊急血管造影を行ったところ,出血源と思われる右下葉へは肋間動脈と気管支動脈からも異常血管の流入がみられ,また右横隔膜下動脈が太く蛇行し,横隔膜を介して肺内に多数の分枝を流入させシャントを形成していた.すべての流入血管をコイルで塞栓することにより喀血は治まった.後日食道気管支瘻の手術を行い,術後経過良好であった.大量喀血をきたした原因として,繰り返す肺炎により右中・下葉が荒蕪肺となったことが考えられた
©Nankodo Co., Ltd., 2004