発行日 2004年10月1日
Published Date 2004/10/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00349.2005051673
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65歳男.喀血を主訴とした.1993年頃と1999年に胸部異常陰影を指摘され,精査を勧められるも放置していた.今回,突然に丼一杯程度の喀血をきたし,昏睡状態で救急搬送され,入院時,意識はJapan Coma ScaleIII-100で自発呼吸があり,顔面などに新鮮血が付着していた.気管支鏡検査にて左上区支からの出血を認め,気管支動脈造影像で左上区支への拡張した血管を確認したため,同動脈に対して塞栓術を施行した.その後,気道内からの出血は徐々に減少したが,再喀血の可能性を考慮して外科的治療を選択し,後側方切開,第5肋骨床開胸よりアプローチして左上大区域切除を行った.病理組織学的に肺胞組織は虚脱して血管および気管支が炭粉沈着とリンパ球浸潤を伴った線維化組織内に収束しており,気管支動脈は著明に拡張・肥厚して周囲に拡張した細血管増生を認めた.病理診断は二次的血管異常であり,術後は概ね良好に経過し,術後1年経過現在も健在である
©Nankodo Co., Ltd., 2004