発行日 2004年12月1日
Published Date 2004/12/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00349.2005089249
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56歳男.喀血を主訴に前医受診し,胸部CTで左S6にすりガラス状陰影(GGO)を発見され,異形腺腫様過形成(AAH)または細気管支肺胞上皮癌(BAC)が疑われた.気管支鏡下擦過細胞診では悪性所見なく,経皮肺生検は患者の同意が得られなかったため,開胸生検を目的に紹介された.GGOは3×3cmと比較的大きく,AAHよりもBACの可能性が高いと考えられたが,確定診断がついていない段階での肺葉切除は受け入れられなかった.術中病理検査を行うこととしたが,病変が中枢側に位置しており,経皮的CTガイド下マーキングは危険性が高く施行できなかった.このため非解剖学的な部分切除で病変を確実に切除するのは困難と考え,まず区域切除を行い,良性あるいはAAHであればそのまま手術を終了し,悪性であれば下葉切除を施行する方針で手術に臨んだ.術中病理診断がAAHであったため手術を終了したが,永久標本では核異型が強くBACと診断された
©Nankodo Co., Ltd., 2004