発行日 2011年12月1日
Published Date 2011/12/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00349.2012213777
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
症例は61歳女性で、血痰を主訴とした。来院当日に大量喀血し、心肺停止となった。気管挿管チューブから出血が続く為、ダブルルーメンチューブによる分離肺換気を行った。CTで左肺に荒蕪肺を認め、心臓が左胸腔にローテーションしていた。左気管支動脈にコイルによる塞栓術を、右気管支動脈からの出血部への分枝にgelatinによる塞栓術を施行した。気管支鏡で左B6からの出血を認め、気道出血・荒蕪肺と診断した。右側臥位・後側方開胸で手術を開始したが、左気管支からの出血・滲出液が右主気管支に垂れ込み、換気不全となった。仰臥位に体位変換を行い、胸骨縦切開・L字切開開胸に移行した。左気管支を肺門で自動縫合器を用いて遮断した後、再び右側臥位とし、左肺全摘術を施行した。病理診断は気管支拡張症による出血であった。術後は気管切開による呼吸管理と胃瘻造設による栄養管理を行った。経過は良好で、経口摂取や会話、車椅子での移動が可能になった。
©Nankodo Co., Ltd., 2011