発行日 2004年1月1日
Published Date 2004/1/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00349.2004199698
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すりガラス状陰影(GGO)を主体とする細気管支肺胞型腺癌に対する縮小手術の成績とその妥当性を検討した.1996年10月から2003年4月までに細気管支肺胞型腺癌の疑いにて縮小手術を施行した症例のうち,CT上腫瘍径20mm以下かつ腫瘍全体に対するGGO領域の比率が50%以上の58例を対象とした.58例中48例に部分切除,2例に区域切除が行われ,8例は浸潤性増殖や高度線維化などにより肺葉切除へ移行した.術中迅速病理診断と術後病理標本の対比では56例の結果は一致したが2例は過小評価であった.また,術後合併症は肺胞瘻1例を認めたのみであり,術後2~80ヵ月間の観察では肺葉切除に移行した症例を含め57例が無再発生存中である.HRCTと病理所見を野口分類で対比するとtypeA+Bでは腫瘍最大径が有意に小さく,高濃度部分や線状陰影の有無についても有意に少なかった.線状陰影のない10mm以下の病変では縮小手術の対象と考えられた
©Nankodo Co., Ltd., 2004