発行日 2004年8月1日
Published Date 2004/8/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00349.2004289038
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冠状動脈バイパス術(CABG)例のうち体外循環を使用した48例を対象とし,挿管時間が術後24時間以上要した症例を長期挿管例とした.24時間以内に抜管可能であった35例(A群)と24時間以上に延びた13例(B群)とに分け,術後人工呼吸器装着時間に影響を及ぼす可能性のある術前・術中・術直後の諸因子を両群間で比較・検討した.緊急手術例はB群の割合が有意に高かった.術中因子においては,常温体外循環,直腸温も含めて有意差はなかった.術直後因子としてのICU帰室時における術前心係数(CI)はA群3.2±0.5,B群2.2±0.5で,投与開始量(CA)はA群7.7±3.4,B群14.6±7.4で,左房圧(LAP)はA群7.4±2.3,B群9.9±2.5,血清CREはA群0.91±0.44,B群1.35±0.42で各々有意差があった.又,挿管時間と各々の因子との相関関係では,術直後CIとのあいだに負の相関関係を,術直後のCA,LAP,CPK,術直後水分バランス量とのあいだに正の相関関係を認めた.更にB群のみにおいて,術中最大血清乳酸値と正の相関関係を認めた
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