発行日 2005年8月1日
Published Date 2005/8/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00349.2006004190
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単独CABG施行の39症例(男性65例・女性28例,平均年齢66.4歳)を対象に術後の心房細動(af)の発生頻度とその関連因子について検討した.対象の術前NYHA分類はI度49例・II度29例・III度6例・IV度2例で,何らかのβ遮断薬が49例で投与されていた.基本的に手術は完全体外循環心停止下に動脈グラフトによるCABG(34例)を行い,低左心機能症例では人工心肺使用心拍動下(9例)で血行再建を行った.脳血管障害既往例・頸部血管狭窄例・上行大動脈高度石灰化例などの50例では心拍動下CABG(OPCAB)を行った.その結果,術前からの5例のaf例を除く88例中22例(25%)に術後afを認め,術式(CABG群9例・非CABG群13例,OPCAB群10例・非OPCAB群12例)や術前投薬(β遮断薬内服群14例・非内服群8例)との関連は認めなかった.術前の平均左房径はaf群43.4±6.1mmで,非af群40.6±5.4mmより大きい傾向がみられた.以上より,術前の左房径と高齢が危険因子である可能性が示唆された
©Nankodo Co., Ltd., 2005