発行日 2004年8月1日
Published Date 2004/8/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00349.2004289039
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
62歳女.主訴は呼吸困難.胸部X線所見で右胸腔は不透明化し,縦隔は著明に左方へ偏位していた.散在性に石灰化を認めた.胸部CT所見で右胸腔に,周辺や内部に石灰化を伴い縦隔,対側肺,肝臓を圧排する巨大な占拠性病変と多量の心嚢水,葉間胸水を認め,腹水とまだらな造影効果のある腫大した肝臓を認めた.慢性出血性膿胸の診断で,手術時の出血制御のため内胸・肋間動脈塞栓術を施行し,硬膜外麻酔併用全身麻酔下に開窓術を施行した.右鎖骨下動脈,右内胸動脈,右第5~11肋間動脈造影を施行し,造影剤の貯留像を認めたため,ゼラチンスポンジ細片による右内胸・肋間動脈塞栓術を施行した.術当日より気管内挿管下人工呼吸器管理,ステロイド療法,輸血を行い,術後第4病日に人工呼吸器より離脱し,酸素投与を行った.その後,胸部CT所見で早期相に血管が造影され,内胸・肋間動脈塞栓術を施行し,その後,二期的手術を施行した.術当日はICUにて人工呼吸器管理を施行したが,術翌日に気管内挿管下人工呼吸器より離脱し,術後合併症なく経過した
©Nankodo Co., Ltd., 2004