発行日 2006年7月1日
Published Date 2006/7/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00349.2006269244
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肺癌手術後遠隔期の症例に,郵送によるアンケート調査を行った.手術施行後3年以上を経て生存中の原発性非小細胞癌91例を対象とし,調査にはEuropean Organization for Research and Treatment of Cancer Quality of Life Questionnaire,30-Item version 3.0(EORTC QLQ-C30),Hospital Anxiety and Depression Scale(HADS)を用いた.60例(66%)から回答が得られ,内訳は,調査時平均71歳,手術から調査までの期間は平均87±5ヵ月であった.EORTC QLQ-C30,HADSとも,男性に比べ,女性が悪い傾向にあった.婚姻・雇用状況,学歴においては,未婚,フルタイム,大卒が良好傾向にあり,これらには男性が多くみられた.又,術後経過観察期間が長期化するに従い,経済的影響のスコアは上昇した.術後遠隔期のQOLは,性差や組織型などの元来の素因や婚姻,雇用,学歴などの環境状況に左右されていることが明らかとなり,患者個々への精神的ケアを充実すべきだと思われた
©Nankodo Co., Ltd., 2006